はじめに…

argon plasma coagulation(以下APCと略す)は非接触型の高周波凝固装置で、今まで外科領域では開腹手術や腹腔鏡下手術で肝臓、脾臓などの実質臓器の止血に使用されてきた。
1994年にドイツのFarinとGrundらによりfiber scope(軟性内視鏡)にも使用可能な新しいアプリケータ(プローブ)が開発され、消化管、気管支など適応疾患の範囲が広くなり、現在世界中で広く普及するに至っている。
われわれの施設では、1996年7月よりAPCを導入し、主として消化管出血の止血(37例)、粘膜切除(EMR)後の遺残腫瘍の焼灼(85例)の目的にAPC治療を合計122例に行った。
今までの臨床経験をもとにAPCの治療を安全に行う為の治療手技のポイントについて解説する。 1,2)