T.APCのメカニズムとその特徴...

APCはアルゴンガスと電気凝固手術装置のモノポーラエネルギーを結合し、アプリケータのメス先電極は電気メス本体からの高周波電流を供給する。
APCのアプリケータは、その先端をから2〜10mmの距離でアルゴンガスをイオン化させた状態を維持する。
 アルゴンガスは電気伝導性をもつため、アプリケータの先端から組織に向かって放電の橋渡しをする。
伝導性の低い空中での放電とは異なり、伝導性の高いアルゴンガスの中での放電は電流密度が低く均一であるため、凝固される組織も浅く均一に凝固される。
また、放電により標的組織で熱が発生するため、メス先電極と組織が接触しない状態でも凝固が得られる。
また、アルゴンプラズマのビームはアプリケータと同軸方向に真っ直ぐに伸びるだけではなく、側方にかつ放射状に障害を回り込むように、伝導性の高い標的組織表面に向かっていく。
さらに、アルゴンプラズマは組織表面のすでに凝固されたインピーダンスが高くなった組織を避け、未だに凝固の完了をしていない低インピーダンスの組織に向かう特性があり、このため自動的に均一でばらつきのない凝固層、乾燥層(devitalization)を形成することが可能となる。1,2)